2006年06月28日

BDF製造方法=本編=(粗BDFのレベル編)

はい、注〜目目

本来なら、直ぐに後処理編(洗いやら、吸着やら)なんですけど、ご自分の装置を理解する為、避けて通れません。「はいここ、テストにでるよ〜」てな感じ。

処理直前状態を指して粗BDFと定義させていただきます。
そのレベルとは?反応の100%への収束?違います。
グリセリン層とグリセリン&BDFの混濁層とBDF層の3層の状態を指します。
本編前の序章で一度説明しました。
ご参考BDF=hannou_sou.pdf

グリセリンには多量の異物、触媒、メタノール、等が存在します。
せめて、低温時に見せる2液分離状態まで持っていって、後処理してください。
多くの装置が高温・中温の3層状態の混濁層・BDF層をまとめて、処理開始します。(実はこれが大きな間違い)

水洗いの功罪
なぜ、水を汚いグリセリンで汚すの?
貴方の奥様・お母様は泥んこユニフォームを洗濯するとき、泥を乾いてたら取り払い、それから洗濯するでしょう?
時間と手間をかければ、そんなに水を汚さずにすみます。節水可能exclamation×2
家事に習えexclamation×2グリセリンを洗浄前に極力搾り取れパンチ

あと、触媒成分と水とBDFが合わさると石鹸できるじゃない?(序章参照)
歩留まり低下だ。
え?その前に酸で触媒を無害化する?

廃油の中の遊離脂肪酸が石鹸になっている事忘れてません?

脂肪酸に戻っちゃうよ…。その脂肪酸除去できてます?
更に薬剤追加する??(コストアップの上に更に水を汚す気だ)がく〜(落胆した顔)

燃料中の酸や、薬剤のイオン残留は完璧ですノン??
燃料の長期保存で劣化促進しません?最終水洗い徹底してください。
下水処理・水処理装置に負担大ですな…?

=環境にやさしい=リサイクル燃料ってexclamation&questionそうなの??


吸着剤による功罪
多量のグリセリンが吸着剤でとれますけど?

スポンジ状のブロック的フィルターは目詰まり直ぐ起こします。

多孔質の粒状物質はグリセリン量が多いので、くっつきあいカートリッジ仕立てなら目詰まり起こすし、処理槽下部壁面に多量にへばりつきます。(除去が大変だ)

粉末状なら、底部に粘土層に堆積してこれまた除去が大変…。
粉末をBDFと分離する為のフィルター…直ぐに目詰まりしません?

その、吸着剤は廃棄するんでしょ?
生成BDFの重量に対して2〜5%位?装置内掃除も、処分も大変だあせあせ(飛び散る汗)
ご苦労様です。

どうかな?超音波技術の導入の有益性判ってもらえました??
もちろん、使用しなくとも、手間と時間かけての2液分離もアリです。

お心当たりのメーカー技術担当の方々の反論お待ちしております。
逃げも隠れもしません。誰にもコビず、ヘツラワズ、中立で…ユーザー目線です。
影でネチネチ・ウジウジの嫌がらせや締め出し(取材拒否)はナシで正々堂々とお願いします。

次回(チョット寄り道=秋田運送工場見学)に続く

2006年06月27日

BDF製造法(反応槽番外編)

触媒技術の考察

実際に使用したりは、出来てませんが、…。
プロセス上、以下のように分けてみましょう。
皆さんの見解お待ちしています。

超臨界メタノール法
どの方法より短時間で精製率の高いBDFが出来ると期待されます。
メタノールの高温高圧化の為、消防法の観点から、漏洩時や万が一の対処の為、設備群は工場含め、防爆仕様が求められるでしょう。
従って耐圧性能含め大変高価になりますので、減価償却をコストに組み込む為には、大量生産しないと、軽油との競争力はありません。
ただし、副生成物のグリセリンに、触媒成分(強アルカリ)が、含まれないため、メタノールを除去した後は用途の選択肢が広く取れます。
副生成物の付加価値を高めると、採算性が見えてきます。

KOH、又はNaOH,タイプ(一般的)
日本における90%以上がこの方式と思われます。
水洗浄方法・吸着剤方法・ETC後処理技術によって更に細分化されます。
グリセリンに触媒成分が多量に残留しますので、2次利用範囲が狭くなっています。
例えば、
燃焼利用…炉内壁面に灰分が付着、伝熱高率の低下や炉が壊れる要因になります。煤煙の心配もありますので、集塵装置必要と思われます。

土壌改良剤…日本の土は酸性の場所が多いので希釈して散布すれば、中和が可能かと思われます。(ただし、メタノールの除去は必要と思われます)
メタノールは酸化過程でホルムアルデヒドになり、その他に金属と化合し、有害化しないでしょうか?

活性剤…土壌菌活性や、醗酵助剤としての効能(触媒成分が邪魔をし、量的な消費が見込めないのが現状です。)

固体触媒(アルカリ)
触媒接触面だけで、反応起こります。一般的な方法が3次元反応とすると、2次元反応が固体触媒の宿命でしょう?
未反応油脂とメタノールが効率よく触れる工夫(細長化等)が必要で、反応率90%⇒100%においての収束時間が大きな課題となるでしょう。
副生成物のグリセリンは超臨界メタノールと同様に考えます。

固体触媒(有機酸系)
遊離脂肪酸もME化するexclamation&question事実でしょうか??
従来固体触媒(何が従来??)より反応速度が速いexclamation&question
しかも、砂糖や、セルロースから作れるexclamation&question(=廉価??)
固体触媒(アルカリ)と同様の収束時間等の心配ありますが、情報不足のためか注目したい技術です。
遊離脂肪酸が存在する廃油原料BDFに有効かも知れません。

超音波法
KOH,NaOH、を少量加えた形のモノ。
微細キャビテ−ションのもつ、亜臨界域の高圧と高温がミソと思われます。
BDF化の過程で周囲の液質が変化してきますので、効果的連続的にキャビテーションを発生できるかと、固体触媒と同等の2次元的反応に近いので、大型化した際の収束時間が課題でしょう。

補助的イメージがぬぐいきれませんが…。
最終的に副生成物のグリセリンに触媒成分少ないので、2次利用範囲が広くなると考えます。
超音波には、グリセリンとBDFを高温域でも2液分離を促す傾向がありますので、後処理が簡素化できます(特に水洗い系・吸着剤系)
パテントもっている方からの使用の解放を望む技術と考えています。

2006年06月25日

BDF製造法=本編=(反応槽編V)

おさらい
グリセリンの役割

反応完了後の副生成物グリセリンの役割について復習しましょう目

グリセリンは多価アルコールに分類されるせいでしょうか?
強い吸湿性のせいでしょうか?

BDF反応を終えたグリセリンには触媒・水分・メタノール・微細不純物粒子等が多量に含まれます。
BDFから、触媒やメタノールをある程度除去する役割も担っています。
その粘性からBDFの微細不純物粒子を絡めとり、封じ込めます。

常温以下に冷却した際に、BDFとこのグリセリン混合物は2液分離の様子を示します。
上澄みのBDFには、まだ1%位のグリセリンが残り(溶融)ます。

これが、もし、噴射ポンプ内に混入したら、摺動部分や回転部分の周辺に澱み、周辺のゴミや異物を絡めとり、動きを阻害します。

徹底的な除去が必要です。除去の仕方は…どうしよう?公開しようかな?

次回反応槽編番外編 他触媒技術の考察に続く

2006年06月17日

BDF製造=本編=(反応槽編U)

反応温度に見るウソ

高温域で反応させる?

65℃ってアンタそれじゃ、メタノール蒸発しますよexclamation&question
密閉性大丈夫?蒸気漏れ起こしてない?
反応槽のデッドスペース(液が満たされない余裕の空間)に一部メタノールが蒸気で逃げて、反応に参加できないでしょう?
反応促進のために入れた余剰メタノールが効きません。
増量セネバexclamation×2…コストアップだたらーっ(汗)
処理能力上げたいからって、アンタそりゃぁチョット乱暴ですよパンチ
せめて構造に工夫をして下さい。

高圧にして蒸発防ぎます?容器(反応槽)が高価になりますね?

何の工夫もない?それなら、せめて55℃〜60℃まで下げて反応時間を長く取ってください。(処理能力低下はやむを得ないでしょう。)

中温域で反応させる?

反応時間は?…正味60分?反応中途ハンパですバッド(下向き矢印)
あと、2〜4時間は最低必要でしょう。(下手したら12時間??)
N社製BDF装置は正にこれ、しかも温度制御に関してかなりプアもうやだ〜(悲しい顔)
反応完結させるのにえらい苦労しました。
短時間で中途半端なBDFを大量に生産できる装置exclamation&question温度制御しながら時間かけるしかないか…?
かなり、改造しましたよ…あせあせ(飛び散る汗)
工夫をすれば、こんな装置でも高品質BDFは作れます。

低温域で反応させる?

BDF反応開始温度に近い状態での反応…。まだこんな装置は見てません。
お酒や醤油、酢を作る…といった感覚が必要かな?
いったい何日かかるやら?
大量生産には向かないと思われます。

一部超音波を利用した低温技法等がありましたが…。
プラントとして成り立った話が聞こえてません。
(2004年までの評価終わったはずなのに…知らないのは私だけ?)
キャビティーションのエネルギーをうまく使いこなせないのかな?
それともセンスがない??
超音波…別の意味でもっと有益なんだけどな…
(粗BDFのレベル編で少し解説しようと思います)

2006年06月04日

BDF製造法=本編=(反応槽編T)

実験室のビーカーでの現象が再現できないあせあせ(飛び散る汗)
よく聞くお話。
実験室で再現可能な現象が、大型反応槽でなぜ難しくなるか?
どうやって説明しよう?

一言で言えば、ミクロとマクロの違いです。

例えば、1Lの正方形と1000Lの正方形でそれぞれ容積、面積、長さを比較すると、
     1L          1000L
辺    10cm          100cm(10倍)
面積  600cm2       60,000cm2(100倍)
体積 1,000cm3 ________1,000,000cm3(1000倍)

とこれだけ変化している。

例えば、1Lのホットケーキ生地(小麦粉・牛乳・卵・砂糖・膨らし粉・バニラエッセンスetc.)を作るのは、料理好きの方なら簡単に作れるでしょう?

でも1000Lとなると、均一に混ぜ込むのも一苦労たらーっ(汗)最早無理exclamation×2

反応槽の容積が大きくなるに連れ、材料が均質に混ざりにくくなります。
熱の伝わり方や対流の具合、澱み、偏在が大きく異なってきます。

これを解決する事が、メーカーとしてのセンスの見せ処。

反応槽の構造的工夫
撹拌の工夫
反応プロセスの工夫etc.(貴方の装置にはどんな工夫が??)

ココで、京都市の大型プラントの条件を見てみましょう。

廃油量 ……………………………4900kg
第一段階メタノール…………650〜700Kg
第一段階KOH ………………………35Kg
第二段階メタノール………………1000Kg
第二段階KOH………………………3.5Kg

容量がかなり大きなせいか、過剰なメタノール量を投入して、反応を促進している様です。(反応プロセスの工夫)
この過剰なメタノールは分留により、950〜1000Kg回収されているそうです。

2006年05月18日

BDF製造法=本編=(触媒とメタノール)

今回のシリーズではこの辺がキモかも知れない。

序章で説明したAV値と触媒の中和量の件を実際に数値で計算してみよう。

例題;AV値2の廃食用油100KgをBDFへと加工する際、

 2(mgKOH/g)×100(Kg)×1000(g/kg)=200000(mgKOH)=200gKOH

これより、AV4の場合、は400gKOHとなる。(検査紙の場合、追加検査してネ)
この触媒量は中和(=石鹸化)に使用されるので注意が必要。
(今後アップ予定の洗浄編でのキーワードの一つ。)

触媒量がこんなに変化するのに、各メーカーの触媒とメタノールの混合比率はそれぞれ常に一定である。

私が知るメーカー3社の触媒量はある相関を示す。

例えば
 α+(AV値×触媒量×β)+γ

α;初期値  β;使用触媒の係数(KOHは1 NaOHは0.71かな?)
 γ;補正値

詳しく書きたいけどこれでゴメンシテ!

それぞれのメーカーの反応槽の釜特性から、ある程度のAV値まで安定したBDFが出来ると判断されている様子。(実際そうだと思う)

処が、装置ユーザーにこの事実を教えて無かったりする。

従って多くの装置ユーザーが直面する失敗は廃食用油=材料起因であったりしている。貴方の現場では大丈夫?

出来るなら、反応単位での廃食用油のAVチェック・記録をお勧めする。
無理なら、貯油槽のAV値を1回/日チェックとか…。

次にメタノールとの混合について、

前回フレーク材による溶解熱の発生を指摘しましたが、AV値の高い油をBDF化する為、大目の触媒量にしたとき、要注意!

溶解温度を冷却器などでキチントコントロールしないと蒸散したり、容器内圧が以上に高くなり、破損・飛散したりと、危険が一杯。

メタノール量は…油1MOLに対し、メタノール3MOLは絶対量として必要。
これに平衡反応を崩す為、プラスアルファのメタノールが数MOL加わる。

BDF反応槽が大きくなるにつれ、反応精度が落ちてくるので、混合するメタノール量が増える傾向にある。
これを抑える槽の構造やら、アイテムが重要なポイント。

次回=反応槽編

2006年05月14日

BDF製造法=本編=(反応に関して1)

本編では代表的なアルカリ触媒法について説明します。

エネルギー編
反応には、序章で説明したそれぞれの材料ともう一つ、反応に必要な熱エネルギーがあります。

これは材料を混合する前と、混合中と混合後の3つの場面に分けられます。

混合前加熱
常温から、それぞれの材料に熱エネルギーを加えようとした場合、廃食用油の加熱効率が最も劣るので、混合以前に加熱しておく必要があります。

混合中加熱
これは、メタノールと触媒を混合した際の溶融熱エネルギーも利用する考え方です。パール剤(粒剤)を使用されている方は実感無いかと思います。
フレーク剤を用いると、急速に溶解する為か、混合液や容器が高温になります。(50〜60℃位=触媒の重量比率や容器の大きさで変化します)

***************************
高温になる為、メタノール蒸気が発生し、大変危険ですので、開放型容器で作業する際は保護具の着用はもちろん、周囲にも注意を払い行ってください。有資格者が慎重に行う事が必要です。(私はお勧めしませんが)

密閉型容器でも、蒸気漏れや、内部圧力の増加など危険を孕んでます。
本来ならば、当該混合槽全体又は上部に冷却器を持ち、メタノール蒸気を液化し、混合液中に還元するシステムが望ましいのですが、…貴方の装置にはそれが有りますか?
***************************

もう一つは混合中の温度を一定温度に保つ為にヒーターや熱交換器で加熱保温する事を指します。
本来なら、エネルギーを有効に使用するため、断熱材のジャケットを反応槽に設けたりするのですが…ジャケットなし、ヒーター類無しの場合、冬場など室温が低下する時期、反応が不完全になります。
貴方の装置は大丈夫exclamation&question

混合後加熱
これは、二段式の場合採用されます。(反応槽⇒2次反応槽)
一段の反応を終了後にグリセリン成分を分離し、残った粗BDFを加温・保温し、時間経過と共に、反応を100%へ近づけます。
京都市のプラントはこの方式+αのようです。
私の推奨する方式もこの方式です。

注意どんっ(衝撃)何の工夫も無く、熱エネルギーの供給をケチらない事ダッシュ(走り出すさま)
   貴方はわざと、粗悪なBDFを作りたいのですかexclamation&question
   製造工場内気温は四季を通じ、常に一定ですかexclamation&question
   反応の熱エネルギーの保持にどういった工夫をされてますかexclamation&question

次回(触媒とメタノール編)に続く

2006年05月07日

BDF製造法=本編=(材料管理と前検査)

えーと、材料の確認です。くどいようですけど…。

先ずは、廃食用油
これは、提供者側ではゴミ扱いです。提供者側の管理担当が替っただけで扱いが変化する事多分にあります。
材料の前処理がきちんと出来たかチェックしてください。
水分混入率の数値化、AV、その他を反応単位で検査し、データを記録しましょう。

触媒(アルカリ触媒)
吸湿性高く、換気設備のある、暗所に保管が望ましいです。
安全具(ゴーグル、手袋、マスクetc.)を装着してから、扱いましょう。
フレーク状、パール状の形状が潮解により、ベタベタしたり、塊になったり、しないようにしましょう。(もし、そうなっていたら、使用しないで下さい)
場合によってはドライエアーを注入した箱への保管も考えましょう。

メタノール
取扱い=換気に注意しましょう。
火気厳禁なのは言うまでも無く、取扱いには資格が必要です。
同じく、取扱いは安全具を装着して行いましょう。
吸湿性が高いので、大量保存には工夫が必要です。
BDF製造時の混入割合が容量(L)単位の場合、液温を測定・記録しましょう。

その他
薬剤の保管や有効期限はルール厳守しましょう。
検査薬は、有効期限が切れたら捨ててください。
廃棄に関しても、法令順守はもちろん、社内ルール化しましょう。

**************************
生産現場は乾燥による静電気の発生を嫌うけれど、多くの材料、薬剤は湿気を嫌います。このジレンマがある事を念頭に…。
**************************
次回=反応に関して=に続く

2006年05月06日

BDF製造法=本編=(前処理)

天気悪いな〜。又騙されたよ…。天気の週間予報当てにならんな?
4日行けばよかったなもうやだ〜(悲しい顔)
ネットでアメダスチェックして…あれexclamation降ってないexclamation&question
秋田八幡平スキー場行こうかな?…ヤッパ止めよう。

集められた廃食用油には様々な異物がある。
1.水分(揚げた具材からや、保管状態により結露等)
2.小麦粉・パン粉の炭化物
3.具材成分
4.その他調味料等

これらは反応の邪魔になるので、除去する必要がある。
特に水分=これは石鹸反応を引き起こすので、全くない事が理想である。
さて、貴方の装置・製造方法にはどんな工夫が?
うまく、機能していますか?確認下さい。

1遠心分離による除去(高価、加温により粘性下げないと効きが悪い)
2加温静置による沈降(時間がかかる、分離効果に限界)
3加温(110℃以上)による水の蒸散又は分留(エネルギーロス大、時間掛かる傾向)
4真空引き分留(高価、大容量化・短時間処理に工夫要)
5フィルター(油水分離含む)(固形物に有効、油水分離は透過膜に工夫要)
6その他

これらをうまく組み合わせて、前処理による異物除去を徹底していただきたい。

2006年05月05日

BDF製造法=材料編=(貯油とトレーサビリティ)

う〜んちっ(怒った顔)書き出すときりが無いなexclamation&questionいつ製造法本編に入れるんだろう??

材料がBDFの品質のキモになっているのでこだわりたい部分ではあるが、…。
この辺で一区切りつけるか?

品質確保法が施行されてもされなくても、BDFの品質は常に一定に保たれるべきexclamation×2
処が、何処のBDF生産所に行っても、この辺の気配りがなされていないむかっ(怒り)

材料のトレーサビリティが確保されていない。
少量生産所なら
”今日の燃料は×○スーパーさんと△食堂原料だよ!”
詳細データは○月△日回収でAVがイクツで、水分混入や固形油脂の混入無しで、etc.etc.

これくらいのデータを揃えておかないと、いざむかっ(怒り)というとき何が問題でおかしなBDFが出来たのか全く解明できない。

原因が判らず、対策できない状態に陥りやすいたらーっ(汗)(=事業撤退であるダッシュ(走り出すさま)

中量生産所でも回収した油を一本の貯油タンクに仕込んでいる。注ぎ足しの大容量タンクから、今日の生産分を取り込んでいる。もうやだ〜(悲しい顔)
どのプラントメーカーの装置ユーザーにおいても1件の成功事例をも作れないでいる原因の一つだ。

回収ルートごと(又は1日の生産量毎)に切り分けられる状態にしなくてはいけない。パンチ

例えば、1日1000Lの生産なら、原油タンク1000Lを2本準備し、交互に使える状態にするべきである。その上で、タンクごとに処々のデータを取得する事が望ましい。目

その上でなら、
”今日のBDF原料は回収ルートA700LとルートB300Lの混合で、…”と語ることも可能になろう。手(チョキ)

データ整理用ソフト参照

BDF製造法=材料編=(食品現場のジレンマ)

最近の原料入手先の動向について。

健康志向も手伝ってか、”キャノーラ油”(=ローエルシック菜種油)がスーパーやレストランチェーン店で使用されるようになった。

しかも、AVは法令規定の4より小さめ…。
BDF化に最も適した廃食用油と思う。
BDF事業展開への追い風か?

これら油は原料として高く、又、輸入相場と連動して卸値として乱高下する。
レストランは一定料金で提供しているので、利益が減り経営を圧迫する。
スーパー惣菜コーナーでも価格転嫁すると消費者が購買意欲をなくす。

結果として、社内規定、法令規定のぎりぎりまで、油を使い、AV4に近づいていく。ここに担当者の健康志向のこだわりと、利益確保のジレンマがある。(一定だとしたら、社内規定遵守が徹底している判断になる)

かくして、市場の廃食用油のAVは小さいながらも常に変動しやすい。

BDF製造法=材料編=(かつては宝、今は…)

回収業者さんから聞いた話である。

古きよき時代、廃食用油は高値で取引されていたそうだ。

回収業者さんがお金を出して買っていたそうだ。
だから、廃油が出る場所(食堂など)は納屋に鍵をかけて大事に保管していたそうだ。(まさに宝物である)

回収業者さんは、集めた油を分別・下処理し、更に高値で飼料メーカーや洗剤メーカーに原料として販売していたそうだ。

それが今は、海外から安い食用油が入ってきて、廃食用油の価値は激減し、買取から引取へ宝物から産廃へと推移していった。
取扱いも粗雑になっていった。

現在、それでも廃食用油は、リサイクル率の大変高いものである。

廃食用油の取扱いは分別・下処理等回収業者さんに高いノウハウがある。
BDFへの加工の一翼を担うことに関しては諸説ご意見あるだろう。

廃食用油から作るBDFは現状のリサイクルシステム以上に社会貢献や付加価値を生むものとしての進化が求められるような気がする。

2006年05月04日

BDF製造法=材料編=(カレーをご馳走しよう)

東北エコシステム時代、材料を提供していただいた方には感謝しております。
が、材料集めに奔走していた際、最近の情報でも、こんな方がいた。
************************
グリストラップの油は元々食用油なのだから、燃料化できるべexclamation&question
廃食用油に混ぜて持ってげexclamation×2
************************
グリストラップの油は燃料化できませんてばちっ(怒った顔)

ごり押し経営者タイプに多い言動。

そんな方には、カレーをご馳走しよう、昨日すごく美味しかったヤツ…。
チョット形と匂いは変わっているけど…。
昨日までは確かにカレーでしたよわーい(嬉しい顔)
貴方の論理では食べられる筈…。

BDF製造法=材料編=(いじめられる脂肪酸)

製造方法は欧州の模倣に始まっているが、材料には同じ菜種油でも、大きく違っている。
欧州は食用でない菜種油(バージン油)で加熱ストレスが少ない事。

BDFで必要な不飽和脂肪酸は、**水、熱に弱い**どんっ(衝撃)
特に多価不飽和脂肪酸(炭素のC=Cの結合が多いヤツ)ほど弱いと言われている。(表で行くとリノレン酸あたりかな)

食用油は実は皆さんの口に入る前に既に匂い成分除去の為加熱されている事実があるたらーっ(汗)

それから、家庭で、スーパー等で、水分を含んだ様々な材料を140〜180℃位で、数時間〜数十時間加熱されるあせあせ(飛び散る汗)

製造法=洗浄編=で詳しい説明をするが、ME化後の水洗浄による水分を飛ばす際、又100℃以上に過熱されるもうやだ〜(悲しい顔)

かくして、不飽和脂肪酸MEはBDFとして使用されるまで、大変な熱ストレスを受けている。
参照;http://www.meti.go.jp/committee/materials/g60428bj.html
   7〜10頁辺り

これら、いじめられた脂肪酸が早期に分裂する事を懸念しているのか?
評価BDFの出所が知りたい。

まあ、劣化を気にするなら、継ぎ足し保存や、長期保存は避けたほうが賢明であろう。燃料タンクにおいては、軽油使用による、リセットが必要かも?

次回=カレーをご馳走しよう=に続く

BDF製造方法=材料編=(成分から考える)

参照;2.pdf

成分で見た場合、固まる理由はパルミチン酸やステアリン酸が多い事。
経験上、特にステアリン酸がやばそうだ。

では、何が向いているかexclamation&question
菜種が比較的少ない。(欧州も菜種油で作っている。)

流動点降下剤におけるメーカー説明もTallow(獣脂)・パームには向かないとある。
菜種がBDF100(FAME100)を作る上で理想といえるるんるん

もう既に、油を自社内に持っている方、自治体等でリサイクル目的でされている方にはえり好みは出来ないでしょうふらふら

きちんとME化した上で調質する事をお勧めしたい。
これは後のBDF製造方法=後処理編=で説明したいと思う。

次回、=いじめられる脂肪酸=に続く

2006年05月03日

ユーザー目線

最近、BDF作る人への情報発信に偏っていると知人より指摘ありバッド(下向き矢印)
(BDFメーカーの知識の底上げがユーザーの為にもなるのだが…)

どんな所が信頼できるBDFを作っているか?
難しい質問だ。知識があったら、製造プロセスやなにやら、チェックして行えるのだが…。
一般的に、
1社長自らディーゼル車をマイカーに持ち、BDFを入れている。
 (自分の財産と生命を担保している)
2従業員(製造員)がディーゼル車をマイカーに持ち、BDFを入れている。
 (自分と家族の生命を担保している)
3装置メーカーの言葉を鵜呑みにしない。
 (自分の目で必ず真偽を確認する姿勢がある)
4自分の言葉で装置の長所・短所が言える。
 (メーカーの誰それが言ったや○○大学の先生が…とかすぐ引き合いに出すのは怪しい)

うちのは、××メーカー製だから大丈夫??
 (こんな会話が出たら、やめたほうが良い)

今、市場にある装置メーカーは単なるBDF加工装置を売るだけで品質維持やら、四季(特に冬)を通して使うノウハウは持ち合わせないのだから。

2006年04月23日

BDF製造方法(序章5)

序章の最終章
(無知は時に罪である。特に経営者…。「知らなかった、騙された」で経営責任は果たせないむかっ(怒り)人の財産・生命を乗せる車の燃料を作るのだから…。よくよく勉強して欲しい)

平衡反応について

BDFで使用する理は一般的な化学反応とは異なり平衡反応である。
実は書いている私でもこの奥の深さに驚きと好奇心の目を光らせている。
知れば知るほど、新たな疑問が湧いてくる魅力的な存在だ。
う〜んちっ(怒った顔)これをどうやって判りやすく説明しようかな…?

A+B+E⇔C+D+E

Aが廃食用油
Bがメタノール
CがBDF
Dがグリセリン
Eが触媒

メタノールを触媒で活性化させても、可逆反応が起きて100%のBDF化を妨げる。
これを100%にする工夫こそ技術であって、知恵とセンスが問われる。

メタノール量を倍化する…もっともシンプルで誰でも思いつく平凡な答え。
知恵とセンスが無い人や、短時間で反応をBDF100%にしたい人は単純にメタノールをいっぱい使ってBDF化する。

一般的に10℃アップすると反応速度が倍になるから高温にする…exclamation&questionチョット待って手(パー)そんな単純ではないぞパンチ

高温の場合、反応槽の中は以前説明したようにBDFとグリセリンが混在する層が大きくなる。
この領域=特に下側ではグリセリン濃度が濃いから可逆反応が強くなり、油もどき(モノ・ジグリセリド)が発生する可能性が非常に高い。

この混合層を小さくする工夫とセットでなければ、それは胡散臭い説明だ。
歩留まりを落として混合層下側を全部捨てたら在り得るかもexclamation&question

貴方の所の装置はどんな工夫がexclamation&question

混合層の大きさは槽の容量や形状、断熱材の有り無し、周辺の気温等で全く同じには成り得ない…。
しかも廃油という不確定要素の塊が材料だ…。

私の経験は東北エコシステム時代の6〜8バッチ/日×約二年の200L反応槽のみなので、50Lや100L、300Lについては、経験が無い。
(ビーカーレベルは腐るほどやったが、傾向性のみが似ているだけである)

だから、答えをポンと出すのではなく、顧客と一緒になって現象を経験し、解決するのが、私のスタンスだ。

2006年04月16日

BDF製造方法(序章4)

AV(酸価)のおさらい

原料のAVも測らんと貴方は何を作りたいんじゃ〜ちっ(怒った顔)

AVについておさらいしよう。
序章3でも説明したように、食用油1g中の遊離脂肪酸を何mgの苛性カリで中和するかです。

ここで、注目目
市販のAV試験紙はAV4までしか測れない。
AV4は必ずしもAV4ならずexclamation&question
AV5の油でも、9の油でもAV4の色を示す。

じゃあどうすればたらーっ(汗)⇒未使用食用油がAV0として、廃油に1(廃油):1〜2をしっかり混ぜて同じ要領で検査する(少し乱暴だが…)。

あとは現れたAVの値に未使用食用油を混ぜた分を考慮し、2〜3倍するとおおよそのAVが判る。

AVは完成BDFの欧州規格でも謳われている(0.5未満)そうな!
貴方の作ったBDFは如何にexclamation&question

BDF製造方法(序章3)

中和反応のおさらい

あ、やばいHPやブログやると食事が粗末になる…朝からろくなモン食ってないなぁがく〜(落胆した顔)

えーと中学で習った理科です。
酸とアルカリの中和反応です。

ナントカ酸(+H)+苛性カリ(−OH)⇒ナントカ塩+H2O(水)

ほーら、水を混ぜなくても水が出てきた。

ここに、
ナントカ酸=遊離脂肪酸(食用油の中にある)とすると、
ナントカ塩=石鹸になるではないか?

酸価(AV)って知ってますよね?食用油1g中の遊離脂肪酸を何mgの苛性カリ(KOH)で中和できるか?

例えば、AV3の油1Kgあったとしたら、これの中の遊離脂肪酸を中和する苛性カリの量は3g…。発生する水の量は1/3弱とすると1g…。
自分の処は?⇒反応容量(L)に比重かけて計算してexclamation×2

この水が石鹸反応に参加しやすい事を踏まえましょう!
(実はグリセリンの吸湿性で参加しにくい面があるのだが…無いほうがいいでしょexclamation

結論;AVの悪い油ほど、歩留まりが悪い(アルカリ触媒法)。

BDF製造法(序章2)

石鹸の製造方法のおさらい

今更…装置メーカーの方には口酸っぱくなるだけ言われてますよね?

”原料の廃食用油に水分が混入すると(BDF)反応がうまく行きません。”
               ↓
        鹸化反応(石鹸反応)が起きてしまうexclamation×2

廃食用油と苛性ソーダ溶液(水分あり)を混ぜて石鹸を作るんでしたねわーい(嬉しい顔)
苛性カリ溶液でも作れましたね…。

あと、もう一つむかっ(怒り)
これが結構素人さんには知られていない。もうやだ〜(悲しい顔)

脂肪酸MEに苛性ソーダ溶液を混入し、石鹸とメタノールを得る…exclamation&question
とある専門書に書かれていた製法です。
加温BDFに苛性ソーダ溶液を混入すれば、直ぐに判る筈です。

感の良い方は何が言いたいか察しが付いたのでは?次回へ続く