現時点の樹脂メーカーの説明は触媒機能としてよりか、グリセリン吸着剤として宣伝しています。
それならば…私見として述べさせていただきます。
関係各処においては、煙たい話もあるかと思いますが、メール・コメント欄で苦言いただければ幸いです。
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私が利用するなら…
あくまで、95%以上の粗BDFの追い込み技術としてのみ利用します。
目的は、FAME規格以上のME変換率の確保又は、高変換効率FAME(例えば99%以上とか…)
利用方法は…
先ず、イオン交換樹脂にはメタノールを湿潤させる事に重きを置く事。
吸着したグリセリンを洗浄…のみでは不十分では?と思います。
グリセリン洗浄・除去→メタノールに浸漬・湿潤→余分メタノール排出のプロセスを設けます。
グリセリン洗浄に関しても、液温範囲や、メタノール容量・時間などのパラメータを吟味したいと思います。
システムとしてユニットを組む際は…
前段に、簡易フィルターを設け、僅かに残留する石鹸分をトラップする事を主眼にします。
(他の効能も狭義で期待できますが…)
石鹸分は樹脂表面で、反応に決してプラスに働かないでしょう?
理論的に、触媒は半永久的に使用可能なものですが…。
早めに劣化させて、新たに商品を購入して戴かねば…。
樹脂メーカーの駆け引きがありそうです。
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この技術は、反応釜直後において、95%以上のME変換率を求めますので…。
それ以前の課題が山積する生産所には、ご相談いただければ…。
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ME変換率の悪いBDFは樹脂に含浸したメタノールを早期に消耗し、再生頻度がアップします。
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樹脂を使用するユーザーから連絡がありました。
処理前のME変換率に問題がありそうな感じなのですが…。
工程は、樹脂塔の出口を封鎖し、液投入→静置→排出を工程に持ちます。
僅か7回で変化が出たそうです。
樹脂を通したBDFに温水を混入攪拌すると…。
水が白濁するそうです。
送付戴いた写真を添付します。
左が7回目、右がソレ以前…。
ヘタレな水洗い廃液とは比べ物にならない程度の極上?品(廃液)です。
ME変換率は吟味されていません。
(ソンナに高くないはず…)
これらから、メタノール(洗浄用)と処理可能BDF量の比は、10倍程度かな?(処理前のME変換率などの改善が望まれます)
写真左側を使用すると…、噴射ポンプ内にグリセリン等が発生し、エンジン始動やエンジン停止等に不具合が生ずる可能性が高いです。
ブローバイがエンジンオイルに多く触れるような機種ですと、オイル交換などをキッチリやらないと…高い授業料になるでしょう。
もう一手の追加処理を最低限求めます。
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これらの事象から、原理を推察しましょう。
触媒反応で、ME化が進み、樹脂表面にグリセリンが新たに発生。
そのグリセリンが、周辺の残留アルカリ触媒(50〜100ppm?)を飽和状態に近い処まで、吸着します。
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残留触媒量と発生グリセリン量と…。
処理可能な粗BDF量の相関は難しいと思います。
粗BDFのME変換利率&樹脂での追い込み(追加変換)量において早期に消耗し、再生を余儀なくします。
更に、再生の分岐点を何らかの形で、可視化しなくてはなりません。
その辺に知恵が求められます。
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全ては現システムに融合可能でなければ…装置ユーザーの体力が課題となりますので、知恵の出しどころと思います。
技術屋の醍醐味ではないかと思います。